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          本能の赴くままに突っ走る、猪突猛進な合成職人のひとりごと
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Chot'2 Mothing
性別:
非公開
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主に【彫金】【錬金術】【革細工】【調理】担当。
時々【裁縫】もやります。
イロモノでネタ満載のグッズは私の担当と思っていただいて間違いありません。
次回イベントはメリットポイント!3の予定です。
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今日は【彫金】のお話。
作業中

現在、当店では4種類のコインを扱っています。

・アトルガン黄金貨
・アトルガン白銀貨
・アトルガン青銅貨
・ランペール金貨


アトルガン貨幣いろいろ

もう1年以上彫金で作成したこれらの貨幣を扱っていますが、実は数バージョン存在します。
最初はアトリエで銀(シルバー925)以外鋳造ができなかったのと、メッキ設備が乏しかったことで

黄金貨=シルバーで鋳造、薄く純金でメッキ加工
白銀貨=シルバーで鋳造、そのまま
青銅貨=シルバーで鋳造、薄く銅メッキ加工


こんな感じでした。

次に、アトリエの師匠に「銅も鋳造したい」コールをしていたところ、銀を混ぜての合金であれば鋳造が可能ということになりました。銅銅うるさかったですか、すいません…orz

さらにうれしいことに金メッキの設備をアップグレードしたとのことでしたので、

黄金貨=シルバーで鋳造、純金でメッキ加工
白銀貨=シルバーで鋳造、そのまま
青銅貨=銅5割、銀5割で鋳造、燻し加工

こんな感じになりました。
意外かもしれませんが、銀はとても加工がしやすくて銅のほうが厄介だそうです。
粘りがありすぎて、溶かした金属を流しこもうとすると細かい模様にまで流れ込んでくれないのだそうです。
そのため、銀を混ぜて粘度を下げるのだとか。

話を戻して。
銅に施している燻し加工というのは温泉の素で有名な液体のイオウを薄めてそこに漬け込むというものです。
それをある程度磨き、またイオウに漬け…を繰り返して好みの質感を出します。

ここから少し期間が開いたのですが、この時期に中国の経済成長と原油高のダブルパンチで地金が高騰。
5年前から比べると1.5倍以上ではないかという値上がりを見せました。

もちろん鋳造費用からその他の材料費までが値上がりをしましたが、そのかわり銅の鋳造技術が飛躍的に向上し、ほぼ銅で鋳造が可能になり一層銅の渋さが際立ちました。

銀に燻し加工を施すのも面白いですが、銅の燻し加工は個人的に非常に面白いと思っています。
一瞬漬け込んだだけでサッと黒くくすみ、それをひたすら重曹や研磨剤(クレンザーなど)で磨くというのを繰り返して濃淡をつけるのですが、この仕上げの「味を出す作業」が一番楽しいといっても過言ではありません。
鋳造したての銅は濃いサーモンピンクですが、燻し液につけると真っ黒になり、それを軽く磨くと皆様ご存知、あの10円玉の茶色になります。
燻し液に漬けて真っ黒な中からすこしずつ顔を覗かせる赤い金属の輝きをどこまで出すかが腕の見せ所です。
こうした試行錯誤を経て、現在販売しているものはアトルガン皇国で実際に流通しているかのような風味がでてきたと思います

もしこの磨き作業を自分でやりたい!とおっしゃるお客様がおられましたら、貨幣ないしいずれご説明するサブリガリングを購入していただき、磨きをかけないままお渡しすることも可能です!
もちろん磨き粉もおつけしますよ!
自分好みの色に磨き上げてみませんか?


アトルガン貨幣についてはこんな感じです。

ランペール金貨についてですが、すでにアトルガン黄金貨でメッキ加工はしているものの、もっと高級志向にもチャレンジしてみたいという気持ちで取り組みました。
原型で作成したものはものすごく重量感があるのですが、複製作業の挟まる鋳造技法だとどうしても金属やワックスのヒケ金属やワックスを溶かすと熱で膨張し、冷えて固まるときに小さく縮まる現象)がおきてしまい思ったより小さくなってしまいました。ここいらは経験が浅いせいで見通しが甘かったのだと思います。

記念コインくらい大きく作りたかったのが、結局500円玉に近いサイズになったのですが、いざメッキ加工をしようとしたときに今度はアトリエのメッキ液の購入が間に合わないという事態に…。
夏コミの開催日も迫っていましたので、最後の手段として御徒町にある金属加工のプロにメッキ加工を依頼しました。

すると、22金ではありますがものすごい厚みのあるメッキ加工がなされて戻ってきました!
コストも相当かかりましたが、このコイン全部金で出来ているのでは!?と思えるほどの重量感に大満足。

ランペール金貨

ちなみにメッキはこすれると徐々に薄くなっていってしまうので、持ち歩きにはあまり適していません。
ですのでランペール金貨をストラップにしたいというお客様のために「真鍮」でも鋳造してもらいました。
こちらも厄介な金属だそうですが、師匠にずいぶん無理を言ってしまいました。

色はどうしてもメッキには劣りますが、金色はずっとキープされますので持ち歩きたい方はぜひこちらをどうぞ!

真鍮製ランペール金貨

てな感じです。

金属加工に興味ある方は↓折りたたみ部分も見てやってください。まだまだひよっこですが彫金や金属加工の楽しさを伝えられたらと思っています。

そうそう、私のことを「彫金師範」だとおっしゃってくださったお客様がおられたのですが、全然違いますよ!!
ほんと、まだまだ「彫金見習い」でしかありません。
ただ作りたいものを欲望の赴くままに作り続けているので、師匠に「チョトさんは普通のリングとかは作らないの?」とたずねられてしまうほどです。

師匠、ふがいない弟子でごめんなさい。

以下、FFとはなんら関係のない金属のお話。
自分の勉強ついでのメモみたいなものなので、好きな人だけ見ればいい!!!

の合金は何色だと思いますか?
銀は白、銅は酸化していないときの地の色はサーモンピンクのもっと濃い色なので、合金はピンク色になります。
ただし銀1:銅1の同割で混ぜたからといって色が中間になるかというとそうではないのです。
合金は「色が出やすい」ものとそうでないものがあり、少ししか混ぜていないのにはっきり色が出るものもあります。

皆さんの中にはピンクゴールドのアクセサリーをごらんになったことがある方もおられると思います。
いわゆるK18(18金)という表記は、比重換算で100%換算ではなく24分率で表し、24のうちの18(75%)は金で残りの6(25%)を別の金属にしていますよ、という意味です。要するに1/4はではない金属に置き換えられているということです。
この置き換えられた金属のことを割金(わりがね)といい、シルバー925(75/1000別の金属)もpt900(1/10別の金属)同じく割金の入る割合を示しています。

なぜ合金にする必要があるのかというと金は非常にやわらかく、すぐ傷がついたり変形してしまうという特性があるからです。
K18の残りの6には主に銀が混ぜられますが、固さを益すために銅やパラジウムも混ぜられることがあります。
この銀の割合を減らし、銅を増やせば…ピンクゴールドになるというわけです。

ついでにホワイトゴールドの説明もしておきます。
ホワイトゴールドはK18WGと表記されていますが、普通のK18が1/4別の金属が入っても金色なのに対してホワイトゴールドは同じく1/4別の金属が入っただけでほとんど真っ白になります。
これはニッケルやパラジウムが割金として使われているからなのですが、金は非常に比重が重く、重さで75%占めていたとしても体積にすると50%ほどにしかなりません。
しかもニッケルもパラジウムも色の出方が強く、単に白+金で薄い金になるかというとそうではなく、もっと強くでてほぼ白になってしまうというカラクリでした。

ちなみにピンクゴールドやホワイトゴールドがあるなら…

鉄を混ぜればグリーンゴールド他にも割金によって別の色にすることができるようです。
グリーンゴールドの鉄は銅ほど着色しないので、隣に置けばちょっと緑かなーという程度でした。

以上です。
 
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